企画


テキスト天下一武道会:一回戦テキスト テーマ[時計]
『じゃあ、ハト胸は?』

私達にとって時計の存在は当たり前のもので、その有り難味を感じる事はまずないでしょう。
遅れると思っていた会社の面接に間に合った時や、家に帰るのが遅れて諦めていたら野球でずれ込んでモー娘。の特番が始めから見れた時でも、人は間に合った事を喜ぶばかり。
それも仕方ない事。時計は時を知らせるだけで、時の流れに何かしら関与するわけではない。
とは言え、決して戻る事の無い重要な時の流れを伝える時計の存在。
この存在は私達が思う以上に大切なものかもしれません。

『人が狂喜する瞬間と落胆する瞬間の実に5割は、時計を見た瞬間である。』
これはイタリアのアルノルド=トマス[Arnoldo=Thomas](1878〜1952)の残した言葉です。
とか言うと、ちょっと深みのある言葉っぽく聞こえるから不思議です。

で、時計というテーマに基づいて思いついた『腹時計』。
何か響きからしてマヌケで(時計のあたりが)、生まれながらにネタにされんとする強い意志が垣間見えます。
こいつは使える。私は確信しました。

腹時計。
私の認識では、その意味は体内時計と同様のものだと思っていました。
しかし、辞書を引いてみてビックリ。

『お腹のすき加減から推量した時刻』(三省堂 現代国語辞典第二版より)

まんまだ!スゴイ!スゴイ予感がスゴイする!
腹時計との出会いで一筋の光明が見えたような、
剣をかざすと海が二つに裂け鬼が島への道が開けた時の桃太郎の気分を味わったような、
そんな気分にはなりませんでした。

というのも、腹時計で思いついたネタというのが、

『腹時計では、もう12時近くだ』(三省堂 現代国語辞典第二版 腹時計の使用例より)
『いえ、私の腹のすき具合からして、まだ10時ですわ』
『何言ってんだよ!こちとらもうペッコリだっての!』
『そちらこそ黙らっしゃいみたいな!私はダイエット中だから食いたくないですわ!』
『テメーがダイエット中なの関係ないっての!こちとら!』
『なにをぅ!』
『やんのかメガネ!』
『メガネって言うなって言ってんだろ!』
『女なのか男なのかハッキリしろ!』
『つーか愛とか恋とかどーでもいーし!』

おかしい。思った以上に膨らまない。というよりだんだんテーマからずれていっている。
それはつまり、腹時計では限界があると、
見た目(響き)だけで性格(内容)はからっきしだと、そういう事なのです。
この程度で俺以外の人が笑うなんて俺以外誰が想像できましょう。

ただ、こうして時計について考えていく上で、得られた知識が一つあります。
皆様にも経験がおありでしょう。
つい寝坊して目覚ましを止めた1時間後に目が覚め、はっと時計を見る。



これが『はと時計』の語源であるということ。





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